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2012年10月 3日 (水)

第47話 遠距離お見合い

 遠くに住む相手とお見合いするケースは通常、少ない。多くの人は希望するお見合い相手について「同じ県内の人」とか「近県の人」といった条件をつけており、遠くの人とのお見合いが成立する余地がそもそも小さいためだ。しかし、私はお見合い相手の希望条件についてこういった制限を設けず、遠距離の人とのお見合いも積極的に申し込んだ。

 遠距離の相手にお見合いを申し込んだ場合、お見合いを申し込んだ側が相手の居住地のホテルなどに足を運んでお見合いをするのが通例だ。私が東京のOLとのお見合いを申し込んだ時、関西から新幹線に乗って東京駅近くのホテルでお見合いをした。

 事前にもらった釣書で、相手が私と同じ大学の出身者であることを知っていただけに、行きの新幹線では「学校の話をすれば、盛り上がるだろう」と期待で胸を膨らませ、旅費の高さや移動時間の長さが気にならなかった。しかし、相手に会うと、考え方が全く違い、会話が続かなかった。帰りの新幹線では、「なんで、高い旅費と長い移動時間をかけて実りのないお見合いをしたのだろう」と気が重くなった。

 それでも、“遠距離お見合い”を重ねるうちに、知らない土地に行くのが楽しみになってきた。名古屋のOLとお見合いをした時は、しばらく交際し、名古屋で数回、デートをした。それまで私にとって名古屋は新幹線で通り過ぎるだけの街だった。彼女とのデートのおかげで、徳川美術館など多くの観光スポットを回り、名古屋が魅力的な都市であることを知った。ところが、私が名古屋に魅力を感じたほどには、相手は私を魅力的に思ってくれず、交際はストップした。

 津のOLとお見合いし、交際した時もデートのたびに、私が津まで足を運んだ。この“小旅行”も楽しかった。広島のOLとお見合いをすることが決まった時、私は「おいしい広島焼きが食べられる」と喜んだ。だが、相手が親切な人で、「私も足を運びますから中間地点でお会いしましょう」と言ってくれたため、その申し出をむげにすることもできず、岡山でお見合いした。このため、本場の広島焼きを食べられず、旅行気分になれたのは岡山名物のママカリをお土産に買った時だけだった。

 遠隔地の相手とのお見合いを敬遠したくなる気持ちはよく理解できる。お見合いでお互いに気に入っても、交際するのが大変だ。結婚することになれば、式場をどちらの街でするかを決めることから難航しがちだ。結婚後はお互いの実家が離れているため、その行き来が大変になる。

 長く付き合った恋愛相手との交際でも転勤などで離れ離れになれば、「距離に負けて」別れるケースが多い。ましてや、知り合ったばかりのお見合い相手との交際を続けて結婚までこぎつけるのは並大抵の努力では追いつかないと思う。
 
 それでも、私は相性の良い相手を見つけるために、お見合い相手についての希望条件をできる限り広げるべきだと考えており、“距離”についてもあまり制限を設けない方がいいと思う。本当に相性の良い「運命の人」は極めて少ない。理想論かもしれないが、本当に幸福な結婚をしたいと思うなら、「運命の人」を探しにどこまでも行く気概をもってほしいと私は思う。 

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