« 第43話 断り方 | トップページ | 第45話 過去を振り返るな »

2012年10月 3日 (水)

第44話 フタマタ肯定論

 恋愛では道義的に許されず、お見合いで許されるのは「フタマタお見合い」。つまり複数の異性と同時並行でお見合いをして、お付き合いをすることだ。お見合いをする人の大半はできる限り早く結婚したいと考えており、時間を有効に使うための手法だ。お見合いをする人たちの間では「フタマタお見合い」は暗黙の了解事項だと考えておいた方がいい。

 これはもちろん、結婚についての結論を出すまでの“期間限定”ではあるが、お見合いの最大の特徴であり、最大の長所でもあると思う。だから、多くの人とお見合いをし、同時並行でお付き合いすることを私は勧めたい。

 特に、異性との交際経験が少ない人がお見合いを始めたばかりのケースでは効果的だ。異性との交際経験が少ない人は「複数の人と並行して付き合うような器用な真似はできない」と考えがちだ。このため、1人のお見合い相手との交際に集中して、他の人とのお見合い話があっても断る傾向が強い。

 しかし、こうしたタイプはお見合い相手とのお付き合いが軌道に乗った場合、「この人との結婚を決めてしまえば、もっと素敵な人との出会いの機会をつぶすことにならないだろうか」という迷いが生じやすい。交際経験が少ないため、異性を判断する基準がないためだ。

 相手が素敵であればあるほど、結婚についての結論を出すのに迷う人がいる。素敵な相手と付き合っているうちに、自分に自信がついてきて、「自分にはもっと素敵な人がふさわしいのではないか」という“過信”も出てくるからだ。

 だからこそ、このタイプはなおさら、複数の相手とお見合いをして異性に対する自分なりの判断基準を作った方がいい。多くの異性との交際を重ねると、異性から見た結婚相手としての自分の“相場”も見えてきて、どの辺りで妥協すべきかもわかってくる。

 ただ、この場合も、相手に他の人とお見合いや交際をしていることを決して悟られていけない。相手も他の人とお見合いをしていたり、こちらが他のお見合いをしていることを相手がうすうす感づいていたとしても、こちらが悟られるようなことをすれば、相手はいい気はしない。

 悟られるどころか、お見合い相手に「フタマタお見合い」を宣言してしまう能天気な人もいる。私がお見合いした大阪のOLから聞いた話を紹介しよう。このOLが以前にお見合いした公務員は3回目のデートで「私は誰に対しても誠実でありたいので、正直に言います。あなたはとても素敵な人なので、私は迷っています。私はあまりお見合いをしたことがないので、もっと多くの人とお見合いをしてから結論を出したいと思います。半年ほどお互いに、仲人さんに返事しないまま、待っていただけませんか」と頼んだという。

 OLは「変な人と思いましたが、『いやです』とも言えないので『わかりました』と言い、仲人さんへの返事はせずじまいでした。半年後に、この人から電話があり、『色んな女性とお見合いをしましたが、あなたが一番良かった。お付き合いを再開してください』と言ってきました。さすがの私もあまりの無神経さに腹立たしくなり、お断りをしました」と苦笑いしていた。

 この公務員は正直であることが誠実さだと思ったのだろうが、相手を不愉快にしただけだ。相手に誠実であろうとするなら、言わない方が良かった。「うそも方便」ということわざがあるが、まさにこういうケースのためにある言葉だと思う。

« 第43話 断り方 | トップページ | 第45話 過去を振り返るな »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。