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2012年10月 3日 (水)

第48話 結婚はギャンブル

 のろけ話になって恐縮だが、家内はときどき、「あなたがこんなに面白い人だと思わなかったわ」と笑う。結婚前は私をもっと真面目な人間と思っていたらしい。私のつまらないおやじギャグは周りをしらけさせるばかりだが、家内はいつも笑ってくれる。たまに顔をひきつらせながら…。彼女がそんなやさしさをもっていることを私は結婚前、知らなかった。

 ほかにも、私は結婚後に家内について知らなかった面を多く見つけた。彼女もたぶん、同じ思いだと思う。つまり、私たちはお互いの人柄や考え方を十分に理解し合ったうえで結婚したつもりだったが、お互いの人物像を正確に把握し合えたのは結婚後だった。私たちの場合、お互いの相性が良くて結婚が続いているわけだが、これは結果論とも言える。

 私はこの連載を通じて配偶者選びで最も大切な要素が相性の良さであることを強調し、その見極め方を紹介してきたつもりだが、それでも結婚前には相手や相手との相性について見極めきれない部分が残る。つまり、配偶者選びをどんなに慎重にしても実際に結婚してみないと、自分たちの結婚が成功か失敗かはわからないのだ。

 だから、結婚はある面でギャンブルとも言える。私は競馬や競輪などのギャンブルそれほど詳しいわけではないが、見極めきれない部分があることを承知しながら勝負をかけなければならない点は両方とも同じだと思う。

 離婚歴のある先輩がこんなことを言っていた。「交際期間が長くても、たとえ同棲していたとしても、結婚してみないと、相手の本当の性格や相手との相性はわからない部分がある。結婚前はお互いにどこかで化けの皮をかぶっている。結婚して1カ月も経てば、相手との相性も見えてくる。その時に配偶者との間に違和感をもったとすれば、その違和感はずっと残る」。

 結婚がギャンブルだとしても、失敗するリスクを念頭に置きながら結婚というギャンブルに果敢にチャレンジしてほしいと思う。結婚生活がうまくいけば、人生は楽しいし、もし結婚に失敗したとしてもその経験が人生を豊かにしてくれるように思う。つまり、結婚というギャンブルをしない限り、成功するチャンスどころか、失敗するチャンスも得られないということだ。

 例えば、私の周囲にいる離婚経験者たちは「結婚はもうこりごり」と言っていたが、いつの間にか再婚しているケースが多い。失敗した経験の中にも結婚についての何らかの喜びを見つけたから、再婚しようという気になったのだろう。

 「子どもを悲しませたくないから離婚はできない」と“仮面夫婦”を続ける人たちも少なくない。はたから見ると、味気ない人生のようにも思えるが、子どもという愛情を注げる対象があるだけでも本人たちはそれなりに満足しているケースが多い。こういう境遇の人たちの多くは魅力的なキャラクターの持ち主だ。人生が思い通りにならないことを身にしみて実感していることが影響しているのかもしれない。

 もちろん、独身主義という考え方はあっていいし、信念をもって独身を貫く人の生き方を干渉するつもりはない。問題は自分が育った家庭や周囲の人たちの家庭を見て「あんな不幸な結婚をするぐらいなら、1人暮らしの方がいい」などと判断して独身を続けている人が多いことだ。これは安易すぎる考えだと思う。この考え方のままなら、本当の苦楽を知らないまま人生を終えることになりかねないと、私はおせっかいながら考えてしまう。

  いい人が現れず、独身生活が長くなったからといって焦る必要はない。毎日の暮らしを充実させて出会いを積極的に求めてほしい。そのうえで、「その時」が来れば、果敢に決断しようという心構えだけはもっておいてほしいと思う。

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